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今日もビールがうまい

よくブログタイトルを変えたくなるブログ

『緑の光線』/エリック・ロメール(1986)

https://www.instagram.com/p/BGT0vMyl4PA/

20160606 at 角川シネマ有楽町

周囲で好評だったので、ロメール特集へ。

タイトルに「緑」という言葉がついているように、生い茂る葉や服、街のカフェのパラソルといったあらゆる場所に緑が散りばめられていた。とはいえ、不思議にも登場人物たちが着ている服の色は赤や青が多かったな、と感じた。しかし、とりわけこの映画で描かれる緑はさまざまな色調をもつ緑で。それは青に近い緑だったり、赤に近い緑だったり……。そして、どの色も物憂げな雰囲気をもっていた。

主人公のデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)は、いわゆる「こじらせ女子」で。「私なんて愛される価値なんてないの」と思っている女の子。綺麗なのにもったいない。少しだけ男性不信な側面も持っていて。対照的に友人のレナは男を引き寄せるテクニックを知っている女の子。レナはデルフィーヌに「恋とはゲームのようなものよ」と恋愛法を伝授する。でも、デルフィーヌはそれを受け入れることができずに、駆け出してしまう。そんなデルフィーヌの自分の感情に正直で、恋愛に対する理想が高くて、不器用なところがいじらしい。

作品を通して頻繁に視界に入りこむ緑は愛の象徴なんだと思う。男女問わず愛されているデルフィーヌをつつんでいる緑色。だけど、不器用だからその愛情に素直にこたえることができなくて、いつも孤独を感じている。(孤独にたえきれずに、濡れた子犬のようにふるえながらむせび泣くデルフィーヌに自分を重ねてしまったひとも多いと思う。) 孤独と手をくみながら、そしてときに孤独を恐れるデルフィーヌがしだいに愛を臆することなく受け入れていく物語。

わたしはデルフィーヌのまっすぐでしとやかな瞳に終始くぎづけだった。

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