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今日もビールがうまい

よくブログタイトルを変えたくなるブログ

0521 首 vol.10 -Louder than Bombs- @代官山UNIT

THE NOVEMBERS

https://www.instagram.com/p/BFq-AdyF4ON/

「いつ書こうか、いつ書こうか……」と、焦りながらようやくキーボードをカタカタできるこの幸せたるや。

THE NOVEMBERS自主企画『首』に足を運ぶのは、これが2度目。昨年の大阪でKlan AileenとLOSTAGEを交えて行われた『首』のクオリティーがあまりにも高かったので、とても楽しみにしていました。

タイトルは『Louder than Bombs』。The Smithsのアルバムタイトルとおなじ。奇しくも首の翌日の5月22日はモリッシーの誕生日だったりする。

そのタイトル通り、けたたましい爆破音よりも鋭敏でクールで、上品なノイズの海と化していた。

「私、初っ端からこんなに音を浴びてもいいの……!?」というほどに、濃厚で強靭な音にやられた。がっしがしに積み重ねられた要塞のようなアンプ。まさに、極上爆音。

Borisのアクトは、陸での砲撃戦のイメージ。広大な大地で繰り広げられる銃撃戦をこの目で見ているよう。映画で戦闘シーンを観ているような感覚に似ている。たとえるならばそれは、ゴダールの『アワーミュージック』の天国篇のようで。ただひたすら、戦う人たち、そして戦いによって殺されていく人たちを傍観している。最初は凄惨な映像に目を背けたくなるのに、慣れてくると麻痺してくる。

Borisの創り出す音も、まさにそのように聴こえた。耳をつん裂くような鋭利な音に対して耳が慣れないうちは戸惑いを隠せずにいるけれども、慣れていくにしたがってどんどん気持ちよくなっていく。この気持ちよさが絶頂に達したときにアクトがプツンと終わる、この瞬間もまた最高。

  • Klan Aileen

ほかの2バンドと異なり、轟音を掻き鳴らすわけでもないのに、今回の首のタイトルにぴったりなバンドだと感じた。

Borisが陸だとすれば、Klan Aileenは空。

空中にぶらりと吊る下がったような気分になる楽曲たち。雲の隙間から戦争を見ているような、そんな気分になった。

「今日一番カッコいいのは僕らです」

最後の曲を演奏する前のボーカルの一言が忘れられない。

ここはまさしく海だな、とまっさきに思った。

四方八方を海に囲まれて、敵に襲われても逃げることができない海。でも、穏やかな表情をみせるときの海はこの上なく美しいもので。

これまでの2バンドは戦争を傍観しているような感覚だったのに対して、THE NOVEMBERSのアクトは自らが戦争に加わっているような、音という名の弾丸を思い切り肌に感じた。

「永遠の複製」で辺り一面を靄がたちこめて、弾丸のにおいを漂わせる。ちょっと焼け焦げたようなにおいが鼻をつつく。「鉄の夢」、そしてそれに引き続く2曲の新曲で完全に酔いがまわるほどに、激しく身を灼く獰猛な叫びと熱気。

熱さを冷ますかのように「Sky Crawlers」。死体のように青白く、冷たく、無機質な曲。映画の『スカイクロラ』を初めて観たときのような、冷淡さ。なんだか言葉で言い表せないけれども、その冷淡さが逆に心地よかったりする。「静謐」と交わされる、静謐な会話。

極めつけの「236745981」は至高だった。今日この曲を聴くためだけに来た、といっても過言でないくらい。規則ただしいリズムは、まるで全身に弾丸で穴を空けられているかのよう。血はまったく出ていないし、どこにも傷なんてないのに。(もちろんだけど) 生まれて初めて「私、こんなライブが観たくって仕方がなかったんだ。今までずっと。」と思った。この世のなかで一番平和的な爆弾、それは音楽なのかもしれない。まるで戦争に巻き込まれてしまったかのような轟音に巻き込まれながら、味わう恍惚。絶え間なく降り注ぐ閃光。こういうものはいつでも観れないからこそ、それが持つ純度は高まるものなんだなあ、としみじみ。

 

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