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今日もビールがうまい

よくブログタイトルを変えたくなるブログ

0624 首vol.12-Deeper Than Abyss- @梅田AKASO

THE NOVEMBERS

https://www.instagram.com/p/BHB-gCmhoWm/

首@梅田AKASOでした。おつおつ。今年上半期の締めくくりとして相応しいライブでした。

友達が無事高松カラーのFlowers Cutsewを手に入れました。ぱちぱち。

……ということで、ライブから1週間経ちましたが感想を。

今回の首は東京公演にも足を運んだのですが、そのときと出演者は変わらないのになぜか180度異なるものを観れた。ほんとうに、恐ろしいほど180度。たぶん東京も観た人にしかわからないと思う。

ek0.hatenablog.jp

今回の首のタイトルは〈Deeper Than Abyss〉と銘打っていて、「深淵よりも深く」という意味で。

東京では、そのタイトルが示さんとしている「深淵」がのみせる色が黒に近かったのです。たとえば先にあげた記事ではMONOがドラクロワゴヤのような絵画の世界観に似ていたり。暗闇に、そして地の奥底まで落とされた感覚を味わうようなライブでした。

一方で大阪は、そんなイメージを覆す意味での「深淵」をみせてくれた。とくにMONOなんて、私、これが4回目に観るMONOだったのですが、4回目に初めて光がみえたのです。照明がどうたらこうたらではなく。こんなに光の近くに届くようなライブは初めてでした。そして2度目にして初めて気づいた。まさかこのバンドで味わうとは、と思ったのがROTH BART BARONのときで。まばゆい光のなかから差し込む音の粒の美しさよ。「私、音楽に愛されてるな」と心から思いました。これまで何度もライブに足を運んできましたが、こんな経験ができたのは初めて。ぱらぱらと本を読んでいて、たまにほんの些細な言葉が座右の銘になったり、なんてことだってある。そんな予期せぬ出会いをさせてくれたROTH BART BARON。この日のなかで一番輝いていました。THE NOVEMBERS目当てで観に行きましたが、お目当てのバンドよりもぐっときてしまったぶん、少し悔しいと思いつつそれこそが対バンの持つ良さなのかもなと。

終演後のTHE NOVEMBERS小林さんとケンゴさんのツイート。

 

いつだって目当てのバンドが一番でなくてもいい。とはいえ、目当てのバンドが他の追随を許さないほど美しかったら、それはとても最高だ。しかし、最高だと思うアクトのなかにもどこか物足りなさを感じてしまうときもあるし、だからこそ何度もライブに行きたくなるものなのかもしれない。

蛇足ですが、最近イギリスの調査で明らかになったこととして、ライブの収益が右肩上がりになっているということ。 ストリーミングやダウンロードが惜しくもCDやレコードよりも台頭するようになる傍ら、根源的な欲望(生の音楽)を求めるためライブに行く人口が増えたのではないかと思います。

私はライブに「楽しさ」よりも「映画のような五感に働きかける美しさ」を求めているので、THE NOVEMBERSのライブはまさにぴったりなもので。初めてライブを観た日から「映画のようだな」と思っていたのですが、昨年『Elegance』リリース記念に行われた土屋昌巳さんとのトークイベントで、土屋昌巳さんが「ベンジーから『まさに映画のようなバンド』と紹介された」とおっしゃっていて。心の中の机をばんばん叩きたくなるほど共感したことを思い出しました。土屋昌巳さんはすごく彼らを言い得ていて。「まだ出会って半年くらいしか経っていないの?」と疑問に思ってしまうほど。そのなかで特に心を抉った言葉が「ここまで音楽に誠実なバンドに出会ったのは初めて」だということ。

その誠実さとひたむきさが、今回の首vol.12でとりわけ露わになっていました。私は甘口よりも辛口でものごとを見てしまうたちなので「いつも凄くカッコいい」なんて言えないのですが(そもそも何をもってカッコいいのか、私にとってはまだわからない……)、ただ1つわかることは彼らの音楽の一番の魅力は「美しい」ということ。とくに「美」というかたちにも言葉にも表せない漠然としたものに対して、あらゆる手段を使いつつ向かっている姿が好きなんです。「美しい」って言葉は完成形ではなくて、そこに向かっていくベクトルなんじゃないかな。絶対値が大きければ大きいほど、心身ともに揺さぶってくれる気がします。彼らにはいつまでもそのベクトルの力、そして絶対値の大きさを失って欲しくないなあ、と思います。

正にも負にも向かう、そしてそれは時として生や死にも向かう「美」のベクトル。「美」にたいする飽くなき好奇心(もはや執念に近いのでは)、今のTHE NOVEMBERSはとてもありありと生に満ち溢れているよ。